時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

財政拡大には限度がある

 本日の新聞に、国債発行による長期金利の上昇を懸念する記事が掲載されておりました(日経新聞本日付朝刊)。今後、補正予算の財源として、さらに16兆円もの巨額の国債が発行される予定とのことですが、景気対策のための財政拡大政策が逆作用をもたらす可能性が、現実のものとなってきたようです。

 16兆の国債を市中で消化することは、容易なことではありません。金融機関に国債を引き受ける余力がなければなりませんし、不景気によって国民所得が減少している現状を見ますと、国民が預金を増やすとも考えられません。長期金利が上昇する可能性もありますし、金融機関が、国債の引き受けを優先させますと、民間の資金不足も心配されます。政府は、財政拡大こそが景気回復の唯一の方法と力説していますが、国債が消化できなければ、政策も中止に追い込まれるかもしれないのです。ニュース等では、カリフォルニアでの財政危機が報じられていますが、財政問題は、対岸の火事では決してないのです。

 政府も国民も、財政拡大政策には限度あることを知り、最悪の事態を避けるべく、財政の縮小に耐えるべきと思うのです。財政破綻やさらなる景気の悪化が発生してから後悔したのでは、時すでに遅しなのです。

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