時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

貯蓄率が高くても国内投資に向かわない日本経済

 本日の新聞の紙面に掲載されました「2010年世界競争力年鑑」によりますと、我が国は、昨年の17位から28位に順位が急落したそうです。その理由の一つとして、対内直接投資の低迷が挙げられているそうですが、この問題、やはり、財政赤字の問題と繋がっていると思うのです。

 おそらく、国民の貯蓄率からしますと、我が国はまた、トップレベルを維持しているはずです。にもかかわらず、それが、有効に利用されておらず、民間企業の設備投資にも支障をきたしているようなのです。お隣の韓国では、サムソンが半導体の設備投資に巨額の資金をつぎ込むそうですが、その判断の是非は別としても、日本企業からは、大規模な設備投資、あるいは、研究・技術開発への投資といったニュースは聞こえてきません。

 それというのも、やはり、政府が、国民の貯蓄を、国債発行によって吸い上げてしまっているからとも考えられます。政府自身が、自国の経済成長を停滞させる原因となっているとしますと、財政再建は急務であると思うのです。

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