時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党の小沢幹事長は危険人物

 かつて、古代ギリシャアテネには、陶片追放という制度があり、独裁者となる怖れのある人物の名前を記し、多数となるとその人物は、アテネを去らねばならないことになっていました。この制度は、後に政敵追放の手段に変質することにより、本来の意味を失いますが、古の時代から、人々が、独裁者の出現を恐れていたことの証しでもあります。

 現代に至っても、ヒトラーの事例を持ち出すまでもなく、独裁者は、国家と国民を苦しめる存在です。そこで、人々は、独裁の禍を避けるために、統治の仕組みに工夫を凝らしてきました。一人の人物に権力が集中しないように分権制を設けたり、チェック・アンド・バランスを働かせるために、統治機関に独立性を与えたりしました。日本国の歴史に見られる朝廷と幕府との関係も、権力と権威を分け、相互に牽制が働くようにしたことにおいて、独裁を避ける仕組みであったとも言えます。

 ところが、民主党小沢幹事長は、日本国の制度に組み込まれている独裁回避のためのあらゆる安全装置を破壊し、権力を自らの手に集中させようとしているように見えます。しかも、中国を後ろ盾にして。民主主義を唱えながら民意に耳を貸そうともせず、既成事実を積み上げる方法は、危険極まりありません。もしかしますと、日本国は、第二次世界大戦後における最大の危機を迎えているのかもしれないのです。

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