時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「習・王終身体制」の確立の背景にAIあり?

  今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。3月17日の全国人民代表大会において、王岐山なる人物が、事実上のナンバー2となる国家副主席に就任したそうです。「習・王終身体制」が確立したと言われる両氏による権力掌握の過程には、まるでチェス・将棋・囲碁において、両氏がAIの指示通りに駒を動かすAI利用者であって、他の人々は皆、その対局者であったかのような印象を受けます。
 
3月18日付日本経済新聞(日曜版)は、王氏について以下のように記しています。
 
――「習政権が発足して5年余り、王氏の存在は大きかった。習氏が政敵を次々摘発した「反腐敗」運動の司令塔のほか重大問題の指南役でもあった。その重み故にライバル勢力からの攻撃にもさらされた。王氏さえ引き離せばエンジンを失うと見られたのだ。著名な政商は米国から王氏親族の不透明な経済問題を暴露し続けた。さすがの習氏も昨秋の党大会では既に69歳だった王氏の最高指導部残留を強行できなかった。盟友が表舞台から消え、「68歳引退」の内規も破れず「習政権の基盤は強くない」との指摘も出た。事実は違った。既に捲土(けんど)重来への手が打たれていたのだ。党大会前の17年8月、軍の作戦と軍政の要の上将2人が摘発され、1人は自殺に追い込まれた。抵抗を試みる勢力への脅しだった」――
 
すなわち、習氏は、自らが権力闘争の勝者となるためのプログラミングをAIに任せており、AIに、党規約、政敵のすべての情報(IQ、人間関係、性格、経済状況、弱点も含む)、過去の独裁体制の成功例のパターンや手法などのあらゆる情報をインプットし、どのように党規約を改訂し、どのような手順で人事を行い、どのような理由(口実)で政敵を追い落とし、自らの権力を確立させてゆくのか、そして、自らに不利な状況が生じた場合、どのように手段で巻き返しを行うのかを、高速で計算させており、その答えの通りに行動していたのかもしれないのです。‘腐敗撲滅’を口実とした政敵の排除、党規約の改訂といったAIの提案した手順の通りに行動し、習氏は権力を掌握したと言えるでしょう(数兆円とも言われる隠し資産を有するとされる習氏や、既に不透明な経済問題を指摘されている王氏が、腐敗撲滅の最たる対象者であるにもかかわらず、AIを用いることで、自らは摘発を逃れられるように工作しているのでしょう)。
 
AIの助けを借りれば、如何に能力の低い人でも、権力の座に就くことはできます。“ハラリ氏の言う近未来の「デジタル専制政治」”におけるAI利用は、中国共産党政権では、やはり権力闘争においてその威力を発揮しているかもしれません。そして、習氏の用いているAIの提供者はイルミナティーであり、中国共産党政権の他にも、世界各国で、‘ライバル国やライバルの追い落とし’に利用しているのかもしれません。イルミナティーが実用化したAIは、国民に対して理性的で効率的な統治機能を提供するのではなく、あくまでも、自らが唯一の勝者となるための、戦略的ゲーム型なのではないでしょうか。

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(続く)