時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「ルソン原人」が示唆する人類の危機

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。昨日の日経新聞の社会面に「アジア第5の原人」とするタイトルにて、フィリピンのルソン島にて、5万年前から6万7千年前に遡る原人の化石が、フランス国立自然史博物館などのチームによって発見されたとの報道がありました。
 
猿人に近いとのことですが、僅か5、6万年前まで、地球上に猿人や原人が生息していたことは、ネアンデルタール人やデニソヴァンをはじめ、原人と現生人類との混血がありえるという極めて忌々しき問題を提起しております。種の進化と分岐には、不可逆性があるからです。
 
例えば、ネコ科の動物の進化が、この問題が如何に深刻であるのかを示唆しております。同じネコ科でありながらも、おとなしい猫からライオン、トラ、山猫(レオパード)などの獰猛な動物があるように、進化・分岐によって、その性質が極めて残忍で攻撃的な動物が誕生してくる場合もあるのです。
 
今般発見された所謂「ルソン原人」には、チンパンジーなどにみられる原始的な面が混じっているそうです。チンパンジーの生態をめぐりましては、①オスのチンパンジーにとって、群れにおける序列が、人生ならぬ‘さる生’のすべてとなっていること、②他者から略奪して配る猿が‘偉い猿’であること、③車のフロントガラスを素手で割れるほどの攻撃性を持っていること、また、④共食いをすること、⑤子孫を増やすことが”サル生”の目的といった問題は、以前に本ブログで扱いました。「ルソン原人」などの猿人や原人も持っていたであろうこうした性質は、現生人類と混血した場合、その混血児にも受け継がれる場合があったと推測することができます。そして、一旦、混血いたしますと、もとの現生人類の状態に戻すことが難しいと言うことができるのです。
 
ゴヤの『巨人』と米映画『ジャイアンツ(巨人)』が同じテーマ、すなわち、イルミナティーによる人類の非文明化・動物化・家畜化計画の問題を扱っている点を踏まえますと、その目的の達成のため、イルミナティーは、猿人・原人との混血系の人々を用いているとも推測することができます。かくて、人類社会は、動物化、すなわち、「チンパンジーの猿山社会」へと退化してゆく可能性があるのです。このように考えますと、人類は、極めて難し局面に来ているのではないでしょうか。

 
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(続く)