時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国の支援はアフガニスタンを腐敗させる?

 先日公表された世界汚職度ランキングによりますと、アフガニスタンの清潔度は、下から二番目という芳しくない評価を受けたようです。民主党政権では、年額にして900億円という多額の資金援助をアフガニスタンに行うそうですが、この支援、一つ間違いますと、アフガニスタン情勢をさらに混迷させる要因になりかねないと思われるのです。

 巨額の資金援助は、政府の説明によりますと、アフガニスタン警察による治安維持の強化、農業支援、教育などに向けられるようです。しかしながら、大統領選挙で明らかとなったように、アフガニスタンでは不正が横行しており、もし、国民が、政府側は外国からの支援を自らの懐に入れていると見なすようになりますと、国民の間で反政府の機運が高まり、タリバンを利することになります。あるいは、タリバン側は、政府を腐敗させているのは、日本国を含めた外国勢力であるとして、外国人に対するテロ攻撃を強めるかもしれません。

 こうした事態を防ぐためには、日本国政府は、拠出される支援金が、アフガニスタンの安定と国民の福利厚生に使用されていることを見届けなければならず、現地での厳密なモニタリングや調査員の派遣も必要となります。しかしながら、現地の危険度を考慮しますとこの方法も難しく、アフガニスタンで戦っている多国籍軍の迷惑にもなります。資金援助という”まる投げ方式”ではなく、アフガニスタンの危険度と腐敗度がさらに高まるのではないかと危惧するのです。

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