時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

子供手当見直し―二律背反に陥る民主党

 本日の新聞には、次期参議院選挙における各政党のマニフェストが掲載されていました。子供手当に対する各政党の対応の違いからも、政党の基本姿勢を読み取ることができます。

 さすがの民主党も、子供手当は修正の対象となっており、外国に居住する子供は、給付の対象から外すとしていました。一方、自民党案では、外国人の子供であって、外国に居住する子供に対しては、支給をやめるとしています。両党の政策は、一見、同じようにも見えるのですが、重大な違いがあります。それは、民主党案では、日本人の子供であっても、海外に居住している場合には、支給されないことになるのです。つまり、民主党には”国民”という概念が欠如しており、日本人の間にあって、内外の居住地の違いによって”差別”が発生してしまうことになります。

 民主党は、日本人と外国人の間で差別を取り除いたつもりなのでしょうが、その半面、日本人の間で差別を生じさせるという二律背反に陥っています。国際法でも、自国民と外国人との区別は認められていますので、国民の間で差別をつくるほうが、問題が大きいということになります。このままでは、法の下の平等を定めた憲法第14条に違反するということになるのではないでしょうか。

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