時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東宮家問題―国民の苦痛

 本日の産経新聞に、最近の教科書の皇室に関する記述には、敬称などを略したものが多いとする記事が掲載されていました。論調としては、学習指導要領に従い、「天皇への理解と敬愛の念を深める」よう求めるべきという記事なのですが、問題が、教育側だけにあるとは思えないのです。

 本心から尊敬していない人を敬うことは、誰にとっても苦痛なものです。北朝鮮の独裁体制が非難されるのも、不道徳で利己的な独裁者に対する一方的な忠誠と敬愛を、国民が強要されているからです。ましてや自由で民主的な日本においては、立場や肩書だけで無条件に人々の尊敬を得ることはなおさら困難です。東宮家をめぐっては、度重なる休養、高級飲食店への私的外出やスケート場の貸し切り、学習院への付き添い登校、創価学会との関係・・・などが報じられており、これらの行為は、国民から非難こそされ、尊敬に価するものではありません。施設の恵まれない子供たちにランドセルを偽名で送る慈善家がおられる一方で、私的な楽しみを優先し、公費で遊び歩く皇室の姿に失望する国民も少なくないはずです。これでは、現代日本のモラル崩壊の象徴です。

 教育現場において、天皇への理解と敬意の念を深めるよう熱心に教育しても、現実の皇室との間に深刻な乖離が発生しますと、国民の心はおのずと離れることになりかねません。現状のままでは、東宮家は、皇室としての役割が果たせなくなるのではないでしょうか。

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