時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

‘謀略史観’から集団的自衛権の問題を眺めてみればパート3

  今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。6月17日附本ブログの記事にて、集団的自衛権をめぐる政府案は、その案にもとづきますと、我が国が朝鮮有事に巻き込まれる可能性があるがゆえに、我が国に‘よからぬ結果’をもたらすことを指摘させていただきました。その理由を以下のようにまとめてみました。
 
①‘政府案’にもとづく集団的自衛権の行使によって朝鮮有事に戦場へ赴かなければならないとなりますと、日本人の若者たちの間で、自衛隊への入隊希望者は激減することになります。自衛官たちも、自衛隊から脱退してしまうかもしれません。我が国は、徴兵制を敷いておらず、自発的に、国防に尽くしたいという意思を持つ者が、募集に応じて入隊することになっております。では、韓国のために、戦場に赴く若者がいるのかといいますと、竹島を武力占拠し、従軍慰安婦なるものを捏造して我が国を誣告するなど、我が国に攻撃を加えている国、すなわち‘仮想敵国’のために、命を捧げようとする日本人の若者は、まず存在しているはずはないのです。自由・市場主義経済圏と社会・共産経済圏との対立として、明確化されておりました韓国と北朝鮮との対立関係は、過去のお話であり、韓国は、現在では、むしろ中国共産党との関係を深めているとも言えます。韓国を護ることの大義が失われている現状に鑑みますと、朝鮮有事の際に、韓国側について参戦する可能性のある政府案は、我が国の防衛体制の弱体化につながる可能性があるのです。
 
②‘政府案’にもとづく集団的自衛権の行使によって朝鮮有事の際に戦場へ赴かなければならないとなりますと、日本国籍を取得している朝鮮人の方々が、むしろ、自衛隊への入隊を希望してくる可能性を指摘することができます。民族的には、韓国・朝鮮に親近感を持つこのような人々は、朝鮮有事に戦場へ赴かなければならないことに対しまして、日本人よりも抵抗感は少ないと考えられるからです。しかしながら、日本国籍朝鮮人が、自衛隊内に増加することは、我が国の安全保障上、望ましい事なのでしょうか。民族的に朝鮮人である人々は、たとえ日本国籍を取得しておりましても、日本人に対して悪感情(嫉妬や憎悪)を持っているとされております。自衛隊という武器・弾薬を携帯している軍人の間に、日本人に対しまして悪感情を持っている人々が増えますと、本当に、このような人々に日本国の国防を任せてよいのかどうか、疑問が生じてくることになります。いざ、戦争となりますと、防衛どころか、銃口が、日本人に向かう可能性すらあるのです。
 
③‘政府案’によって我が国が朝鮮有事に巻き込まれるとなりますと、この状況を韓国と北朝鮮が利用する可能性も指摘することができます。韓国と北朝鮮は、敵対しているとされておりますが、それは、表面上のことであり、結びついている可能性も指摘されております。したがいまして、両国は、計画的に戦争を起こして、日本国を巻き込むかもしれないのです。また、両国は、結託して、「戦争を起こすぞ」と、我が国を脅迫する可能性もあり、その脅迫に応じて、我が国は、様々な利益を、韓国・北朝鮮側に与えねばならなくなってしまうかもしれないのです。
 
集団的自衛権をめぐる政府案が、我が国に‘よからぬ結果’をもたらす理由を3つの点にまとめてみましたが、謀略とは、どこに潜んでいるのかわからないものなのです。何といいましても、‘謀略’なのですから。
(続く)
 
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