時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ロスチャイルドの思想は遊牧民族的支配思想

本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。ここ数日にわたり、外国人雇用や移民政策と連動した世界支配志向勢力による国家‘乗っ取り’問題、そして、戦争の発生問題について扱ってまいりました。では、世界支配志向勢力は、どのような思想を持っている人々の集まりなのでしょうか。
 
ここで注目すべきは、世界支配志向勢力の主力であると推定されるロスチャイルド家の出自です。ロスチャイルド家は、ドイツのフランクフルトの金融業者であり、マイアー・アムシェル・ロートシルト(1744~1812年)の代にヘッセン選帝侯の御用商人となったことで、政商としての地位を築いています。同家の住居がユダヤ人ゲットーにあったことから、ロスチャイルド家は、ユダヤ金融を象徴する一族として知られています。

さて、公式には、ロスチャイルドの名称は、マイアー・アムシェルの祖父の代に遡り、ゲットー内で手に入れた”赤い(ロート)表札(シルト)の家”に因んでいるそうです。しかしながら、その一方で、元の苗字は”ハーン”、あるいは、”バウアー”であったとする説があります。同氏は、敬虔なユダヤ教徒であったとされていますが、通常、”ハーン”は”汗(ハン)”の読みの一つとされますので、この説が正しければ、その遠祖はモンゴルであった可能性がないわけではありません。同家は、金融業の他に絹布も商っていたことも、ユーラシア東方との関連性を窺わせます。

その後、マイアー・アムシェル・ロスチャイルドの5人の子供達は、ヨーロッパ各地で銀行業を開設し、一大金融帝国の建設に邁進します(”五本の矢”)。王侯貴族とも姻戚関係を結び、戦争や革命を機に手段を択ばない手法で富を蓄え、経済のみならず、政治や社会においても多大な影響を与えてゆきます。そして、その手法を観察すると、キリスト教が忌避する金融業に携わっていたことに加えて、あくなき拡大志向、強い支配欲、国境の軽視、そして、キリスト教的道徳や倫理のみならず、ユダヤ人の教義であるはずの「モーゼの十戒」の無視といった、ユーラシア的な要素を見出すことができます。残された肖像画を見ましても、どこか、ハザールの改宗ユダヤ人とも違うアジア・モンゴル系の雰囲気を湛えています。

しばしば、世界支配志向勢力への批判が、ユダヤ人やヨーロッパ文明へと向かう原因ともなっております。しかしながら、ロスチャイルドの元の苗字は、”ハーン”であり、ロスチャイルド一族は、17世紀以前にユーラシア大陸の北東部あたりからドイツに移住してきた東方ユダヤ人であったとすると、モーゼの十戒」に無頓着なように、その思想は、ユダヤ教の教義に誠実であるというよりは、ユーラシア的、あるいは、モンゴルな遊牧民思想に起源があり、人類までをも”家畜”として扱うことを認める思想なのかもしれません。アンネ・フランクは「ユダヤ人の中に、悪い人がいるから、私たちまで、このようなひどい目にあってしまう」とする嘆きの言葉を残しておりますが、ユダヤ教徒にも、様々な出自を持つ人々が混じっていたのでしょう。
 
 そして、こうしたロスチャイルド家の出自の問題は、今日なお、歴史に多大な影響を与えていると推測されるのです。
 
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(続く)