‘ネオ・ユダヤ人’の国家権力掌握の行方
本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。‘ネオ・ユダヤ人’の形成から、特に、近代以降、ユダヤ人社会は分裂していたと考えられます。そして、先祖伝来のユダヤ人というよりも、‘ネオ・ユダヤ人’達が中心となって、ユダヤ教徒の既存の組織を乗っ取り、イエズス会とも繋がることで”世界悪党連盟”とも称すべき世界支配志向勢力を形成している可能性は高いのです。では、このような世界悪党連盟に、国家権力を掌握されますと、いったいどのような事態が起こるのでしょうか。
この問題を、ヘブライ史の事例から見てゆくことにしましょう。先述したように、最古の‘ネオ・ユダヤ人’は、アラブ系のイドメア人です。イドメア人出身のヘロデが、ハスモン王家の王女と結婚したことで、ヘロデとともに多くのイドメア人もユダヤ教団の一員となったと考えることができます。この最古の‘ネオ・ユダヤ人’は、「モーゼの十戒」に無理解であり、むしろ、十戒の教えとは逆のことを行う非文明人であったのですが、ヘロデ王朝の成立によって、ユダヤ人社会の支配者層となったようなのです。ユダヤ教団を支配するようになったヘロデ王のユダヤ人たちに対する対応を纏めてみますと、以下のようになります。
4)洗礼者ヨハネと同様に、先祖伝来のユダヤ人であって、しかも、ダビディク・ライン(the Davidic Line)と称される王家の系譜に連なるイエスを、進駐していたローマ帝国の長官に取り入ることで捕縛した。
このように、最古の‘ネオ・ユダヤ人’は、先祖伝来のユダヤ人たちに対して悪逆非道なことを行うわけですが、このような事例は、‘ネオ・ユダヤ人’の最初の被害者は、先祖伝来のユダヤ人たちであったことを示しております。そして、また、‘ネオ・ユダヤ人’を中心として組織されている世界悪党連盟に国家権力が掌握されますと、今日でも、同じようなことが起こる可能性をも示しているのではないでしょうか。
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(続く)