時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

フランス王家を滅ぼしたイルミナティーの目的は?

  今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。本日は、昨日指摘いたしましたフランス王家を滅ぼしたイルミナティーの4つの目的のうち、第一点の「最もキリスト教的君主the Most Christian King」であったフランス王家の排除という目的について考えてみましょう。
 
イルミナティーは、カトリックの修道会であるイエズス会の会士であったヨハン・アダム・ワイズハウプトJohann Adam Weishauptによって創設されておりますので、キリスト教を信仰する秘密結社であると認識されがちですが、そうではありません。その創始者のイグナティウス・ロヨラフランシスコ・ザビエルイベリア半島の「黒いユダヤ人」であったことに示されますように、‘隠れバビロニア教徒crept Babylonian Jews’であって、むしろアンチ・キリスト教の秘密結社なのです。したがいまして、まずもって、その創設当初から、その攻撃は、キリスト教の秘密結社であるフリーメイソンに向けられ、フリーメイソンを乗っ取ることが、所期の目的となっていたようです。
 
18世紀、フランスでは、モンテスキューMontesquieu(1689~1755年)が『法の精神The Spirit of the Laws』を著すなど、キリスト教精神にものづく啓蒙思想が普及するようになっており、その背景にはフランス・フリーメイソンがあったと推測されます。フランス・フリーメイソンは、ヨーロッパ大陸における大国であって、その「最もキリスト教的君主the Most Christian King」であったフランス王家の庇護のもとで、キリスト教精神にもとづく理想の社会をつくろうとする機運に満ちていたと言うことができるでしょう。
 
独裁体制や不条理な支配を好むイルミナティーにとりまして、このようなフランスの動きは、不愉快であったはずです。それは、『聖書』「暴露録(黙示録)The Revelation」に従いますと、最後の審判の日に、キリスト教の神様によって地獄へ落とされるのは、イルミナティーであるからです。「最もキリスト教的君主the Most Christian King」を中心として、ヨーロッパに盤石なキリスト教世界が築かれてしまうことを、イルミナティーは阻止したかったはずなのです。
 
このようにイルミナティーの活動目的が、キリスト教の神様、並びに、キリスト教世界を消滅させることであったがゆえに、イルミナティーは、1776年の結成と同時に、真っ先に、「最もキリスト教的君主the Most Christian King

」であったフランス王家を滅ぼすとともに、フランス・フリーメイソンを乗っ取るための策略・工作を始めたと考えることができるのです。


 

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(続く)