時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

定額給付金は本当に大丈夫?

 政府とは、国民の家計の”やりくり”について、正確に予測することはできないものです。本日、第二次補正予算が成立してしまったようですが、定額給付金の効果は、国民がそれを何に振り向けるかによって、政策効果が全く違ってくると思うのです。

 最悪のパターンは、将来に不安を感じる国民が、支給された定額給付金を金融機関に貯金し、預け入れを受けた金融機関が、政府発行の国債を購入する、という流れです。この一連の流れが成立してしまいますと、定額給付金は、消費を刺激することも、在庫調整に貢献することも、生産を増やすこともなく、国債という債権が、金融機関に移転されるだけの結果となります。しかも、政府は、債務者として財政赤字を積み増すことになります。それでは、金融機関にとってはメリットになるのか、と申しますと、預金を国債に転換するだけの存在に堕してしまい、企業が不況を脱せない状況では収益も低下しますし、倒産数が増えれば、さらに不良債権を抱え込むことにもなりかねません。

 マスコミでは、大々的に財政出動政策を新規な政策のように扱っていますが、過去の歴史を振り返りますと、必ずしも成功した事例が多いわけではありません。不況の脱出には、持続的な消費を促す何らかのブレーク・スルーが必要なように思うのです。

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