時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮は独裁体制が”だめ”な証

 指導者のリーダーシップを評価して、しばしば独裁体制を擁護する意見が聞かれますが、北朝鮮ほど、独裁体制が”だめ”であることを証明している国はないのではないか、と思います。もし、かの国が、あのような体制でなければ、あるいは、拉致事件や今回のようなミサイル発射実験などは起こらなかったかもしれません。

 民主主義が根付いている国家では、統治の仕組みに権力を抑制するメカニズムが組み込まれています。ですから、大統領や首相と言えども、憲法や法律で定められた権限の範囲でしか権力を行使できませんし、議会が機能することで、政策の良しあしを議論することができます。また、もし、政治家が政策に失敗すれば、国民は、選挙を通して落選させることもできるのです。しかしながら、独裁国家には、民主主義国家のような”安全装置”が備わっていませんので、一度、独裁者が暴走を始めますと、誰も、それを止めることはできなくなります。いわば、ブレーキの効かない暴走車が、交通法規を無視して国際社会を傍若無人に走り回り、あちらこちらで衝突事故を起こすようなものなのです。同乗者となった国民は、まことに哀れ、ということになりましょう。

 国家の仕組みにも良しあしがあり、独裁体制は、リスクの高い制度と言えます。この暴走を止めるには、外部から抑止力を働かせるしか方法がないのですが、現代という時代の国際社会にあっても、100%確実かつ有効に独裁国家を抑える方法がありません。しかしながら、このまま放置するわけにはゆきませんので、経済制裁による体制崩壊を含めて、北朝鮮民主化を促す方法を真剣に考えるべきと思うのです。

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