時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

財政拡大の国際協調路線はリスクの移転?

 国家のデフォルトとは、自国の発行した国債を償還できなくなったり、利払い不能になった時に発生します。今般の金融危機に際して、新興国も含めて各国は、こぞって財政拡大政策を選択しましたが、この手法は、リスクを民間から政府に移しただけになるかもしれません。

 我が国の場合には、国債の9割が自国内で消化されていることを理由に、国家デフォルトの危険は低いと主張されています。しかしながら、国家デフォルトは避けることができても、国内経済や国民の被害は甚大となりますし、現在の金融危機以上の混乱が待っているかもしれません(金融機関も国民も、金融資産の大半を失う・・・)。また、余力のある先進国は、最悪事態を避けることができるとしても、新興国や経済基盤の脆弱な国は、深刻な財政不安を抱え込むことになりかねません。

 財政拡大協調路線が、民間のリスクを軽減しても、国家レベルでのリスクを高めるとするならば、これは考えものではないか、と思うのです。

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