時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

研究開発減税縮小―民主党政権の刹那的思考

 本日の新聞報道によりますと、昨日、財務省が税制要望査定を取りまとめ、各省に提示したと言います。政治主導を打ち出していますので、この査定も民主党政権の方針を反映させたものなのでしょうが、研究開発減税を縮小する一方で、中小企業の交際費の一部については特例は残すそうです。この判断、どのように考えましても、逆なのではないでしょうか。

 グローバル化の波が押し寄せて以来、日本国の企業は、厳しい国際競争に晒されています。価格競争においては、圧倒的な人件費の安さを武器とした中国や新興国の製品に軍配が上がりますので、日本国の企業は、技術力で勝負するしかありません。もし、政府が、企業支援の政策を行うならば、それは、一定規模の投資を要する研究・開発部門に向けられるべきであり、税制面からの支援は、企業の技術・製品開発を側面から促進することになります。一方、大企業と中小企業とでは、中小企業の方が経営者と従業員との間の所得差が大きく、中小企業の交際費に損金算入の特例を設けても、民主党の主張する国民の生活支援になるのか大いに疑問なところです。

 勤勉で実直な努力を要する研究開発を軽視し、享楽となりかねない交際費に税制上の優遇を与えることは、一般常識からは外れていると言わざるを得ません。民主党の思考は、一体どのようになっているのでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>