時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日中ネット通販のリスク

 本日の新聞朝刊一面に、日中間におけるネット通販の”市場統合”が取り上げられていました(本日付日経新聞朝刊)。歓迎ムードの記事なのですが、このネット市場の統合には、セーフティーネットがないという問題点があると思うのです。

 EUでは、80年代に市場統合を行うに際して(ネットではなく・・・)、一定の時間をかけてルールの共通化や加盟国間での法制のすり合わせを行い、安全な欧州市場づくりに努めました。自由かつ規律ある市場を構築することで、企業や消費者が安全に取引ができるようにしたのです。一方、日中間のネット通販市場では、こうした法整備や行政機能に関する取り決めはないようです。こうしたシステム上の不備は、何らかの事件が発生したときに露呈します。毒入り餃子事件からも予測できるように、我が国の消費者が不利益を被る事件が起きたとしても、中国政府当局が誠実に対応する保証はないのです(中国当局の犯人公表には不審な点が指摘されている・・・)。

 ネット取引に参加する企業や消費者の安全が確保されていないにも拘わらず、このシステムを運用しますと、被害者が発生する恐れがあります。予測される被害を事前に防ぐためにも、安全性の点検が必要なのではないかと思うのです。

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