時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

カンノミクス―必要なのは社会保障費のスリム化

 管首相が打ち上げたというカンノミクス。この経済政策は、増税プラス社会保障費の歳出拡大による経済刺激策らしいのですが、現在、必要とされているのは、社会保障費のスリム化と効率化なのではないでしょうか。

 公的医療保険制度の下で社会保障費が年々増大し続ける問題は、ここ数年来、財政を圧迫する原因として指摘されてきました。先の衆議院選挙では、民主党は、”コンクリートから人へ”をスローガンとして掲げましたが、実のところ、公共事業費よりも社会報償費の方が、歳出全体に占める割合は、遥かに高いのです。つまり、財政赤字の元凶は、社会保障費の増大にあるのです。薬価の低価格化や安価な医療技術の開発など、様々な工夫ができるはずです。

 本気で歳出削減を図るならば、社会保障費を”聖域”とせずに、この領域に踏み込まなければならないのですが、カンノミクスでは、逆に、この分野での支出を増やそうとしています。新政権では、カンノミクス路線は放棄し、医療レベルを維持しながら、如何に社会保障費を抑えるか、という問題に取り組むべきと思うのです。

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