時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

旧軍施設跡の銘板問題―何のための銘版なのか

 そもそも、大阪城にある旧軍施設の銘板は、何を目的に設けられたのでしょうか。銘板は、村山談話を踏襲し、「先の戦争にいて我が国は、アジア・太平洋の人々に対し大きな災難と苦難をもたらしことを忘れてはなりません。・・・」という文章から始まっています。

 もし、大阪城の石垣に空襲の被害があったことや、軍の施設があったことを説明するために設けられたのであるならば、つまり、そもそも、説明文であるならば、歴史的な事実のみを記載すればよかったのではないかと思うのです。近年の調査・研究によれば、”強制連行”という表現は歴史的な事実としては適切ではないとする指摘が多く見られるようになり、それを事実として書くことには問題があります。しかも、報じられるところによりますと、朝鮮総連の圧力によって、わざわざ後から加えられたというのです。

 大阪城を訪れる一般の日本人の多くは、この銘板を読んで、どのように思うでしょうか。冒頭の文章は、上からの命令口調であり、相当に威圧的な表現でもあります。歴史的な遺跡に、政治問題をもちこんだところに、最初の誤りがあったのではないかと思うのです。

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