時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

南北の”責任転嫁体質”が哨戒艦沈没事件を混乱させる

 韓国の哨戒艦が沈没した事件は、韓国と北朝鮮双方の政府が、国連安保理に提訴するという奇妙な展開となってきたようです。こうした事態に至ったのも、両国とも、何か事件が発生すると、責任を相手側に転化する体質があるからではないかと思うのです。

 この事件については、背景を含めて、全容の解明が遅れています。この不透明性もまた、警戒すべきことなのですが、当事国の双方が、相手を”犯人”として名指しで非難していることも、この事件を見え難くしている原因のようです。おそらく、魚雷を攻撃を行ったのは、北朝鮮なのでしょうが、韓国にも、信頼性に乏しいという共通の問題点があります。先日、韓国からは、ロケット発射に失敗したとするニュースが伝えられましたが、この事件に際しても、韓国側は、発射に協力したロシア側に原因があるとして非難しているようです。ロシアの側もまた、韓国側の落ち度を指摘しており、ここでも、双方の責任のなすりつけ合いが演じられています。北朝鮮に至っては、核開発も拉致事件も、不都合なことや非難されることは、全て”他国のせい”と主張しています。

 責任転嫁を常とする国が紛争の当事国となりますと、他の諸国は、事実に即した判断が難しくなります。両国とも、潔く責任を認める国であれば、この問題も、これ程には混乱しなかったと思うのです。

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