時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

希望を乗せて帰還する「はやぶさ君」

 最近の新聞の論調は、”日本没落論”一色なように思われます。日本は、あらゆる面で中韓にも抜かれ、全てにおいて遅れをとっていると・・・。日本人の多くが自信を失いつつある中で、小惑星探査機「はやぶさ君」は、満身創痍の宇宙の旅を終えて、7年ぶりに地球に帰還するそうです。

 民主党政権発足後の事業仕分けでは、スーパー・コンピューターの予算が削減され、技術開発の競争から自ら降りた感がありました。”一位”になるのは意味があるのか、と言い放った蓮舫議員の言葉は、科学技術の進歩を否定するに等しく、先に進むことを止めたことの宣言でもありました。科学技術における”一位”とは、先端をゆくことで、新たな可能性を開くことと同義であることは、全く理解されていなかったようです。このプロジェクトで開発された燃費のよいとされるイオンエンジンの技術は、今後、民間の産業への転用も計画されているそうです。先端技術の開発は、経済を成長させるの牽引力でもあります。

 頑張った「はやぶさ君」は、今夜、大気圏に突入する際に燃え尽きてしまうという悲しい運命にあります。しかしながら、カプセルと一緒に、希望というものをも残して行ってくれたように思えるのです。

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