時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国人船長釈放―呆れた”大人の対応”

 中国人船長の釈放の措置について、片山総務大臣から、”子供の中国に対する大人の日本の対応”という内容の発言があったと報じられています。しかしながら、どう考えましても、日本国側の措置は、お手本となるような”大人の対応”とは程遠い、と言わざるを得ません

 何故ならば、自らに理がありながら、暴力と脅迫に屈する態度は、卑屈な精神の現れでしかないからです。おそらく、一般の家庭にあっても、”誰かに暴力で脅されたら、相手の言うことを聞きくように”とは、子供に教えないはずです。もし、国民の大多数がこうした態度をよしとしたならば、その国は、暴力天国となってしまします。最も凶悪な脅し屋が、欲しいものを手に入れ、支配することになるのですから。国民が、法と正義のために闘う意思を失えば、すぐさま国は内部から腐敗し、外部にあっても覇権主義国家の属国へと転落してしまいます。

 国民の多くが、中国人船長釈放の措置に憤りを感じていることは、まだまだ、我が国には、法と正義を尊ぶ精神と法治国家の矜持が息づいている証しでもあります。長期的な影響や周辺諸国へのマイナスを考慮せず、短絡的な事なかれ主義でしかなかった”大人の対応”は、決して見習ってはならない態度であると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>