時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

馬脚を現してしまった中国

 尖閣諸島沖で発生した公務執行妨害事件の現行犯である中国人船長を、日本国側が、みすみす処分留保のまま釈放したことから、菅政権への国民の信頼は、急激に低下しました。そうして、”勝った”はずの中国もまた、自国の評価を地に落としてしまったのではないでしょうか。

 何故ならば、日本国民のみならず、世界中の国々が、中国は、信頼のおけない国と見なすようになったからです。もちろん、類が友を呼ぶと言うように、ロシアやイラン、そうして北朝鮮などは、中国の暴力主義に親近感を覚えたかもしれません。しかしながら、大半の諸国では、急激な経済成長を遂げて大国となった中国が、自国の利益のためには他国を犠牲にし、軍事力では他国を脅迫し、それでも、それを正義と言い募る厚かましい国家であることに気づくことになったのです。

 この意味において、中国は、国内的には勝者であっても、一歩、中国の外に出てみれば、やはり敗者と言えそうです。そうして、一度、馬脚を現してしまった以上、信頼を回復することは、ほとんど不可能に近くなります。中国が、この事件で、失ったものの大きさに気づく日は来るのでしょうか。

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