時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”焚書坑儒”実行中の政府が設けた「孔子平和賞」

 中国がノーベル平和賞に対抗して設けた「孔子平和賞」。中国は、孔子こそ、世界に誇るべき思想家と自負しているのでしょう。しかしながら、その実は、中国政府は、言論統制という”焚書坑儒”に躍起になっています。

 孔子が説いた理想の国家とは、高い徳を備えた為政者による徳治なのですから、非道徳的な行為を繰り返してきた現在の中国政府にとっては、その教えは耳痛いはずです。にもかかわらず、孔子を持ち上げる中国政府の態度には、東洋思想を持ち上げることで、西洋思想に対抗したいとする思惑が透けて見えます。本心から、孔子の教えを実践しようとも、その教えに従って理想の国家を造ろうとするのでもなく、あくまでも、国家戦略の一環なのです。

 そうであるからこそ、躊躇なく言論弾圧を推し進め、気に食わない思想は、焚書坑儒よろしく抹殺しようとしてるのでしょう。全てが”あべこべ”になる中国に対する信頼は、低下の一途を辿るのみと思うのです。

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