時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”孔子平和賞”に最も相応しいのは劉暁波氏

 愛国者とは、必ずしも政府を礼賛し、美辞麗句を並べる人のことではありません。孔子の「論語」にも、”巧言令色少ないかな仁”という言葉があります。

 中国政府は、ノーベル平和賞に対抗するために、孔子平和賞なるものをにわか作りしたようですが、平和の意味のみならず、ここでも、中国政府は、孔子知名度しか眼中にないようです。古代より、中国大陸の諸国は、孔子孟子など、言論によって良き国のあり方を説いた思想家を数多く輩出してきました。古代といえども、言論の自由があったからこそ、中国には、今日に誇るべき文化遺産が残されたのです。劉氏もまた、現代にあって、言論を用いて、より民主的で、より国民の自由と権利が守られる中国を目指したのですから、氏こそ、現代の孔子に譬えることができます。

 過去の歴史における言論の自由の果実を享受しながら、現在の中国は、一党独裁体制の維持に目がくらみ、言論弾圧に躍起となっています。中国政府は、言論の弾圧が、「論語」を燃やした焚書坑儒であることに、気づいていないのではないでしょうか。

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