時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

半島有事―急がれる邦人救出作戦の立案

 半島有事に際して邦人救出のために自衛隊機の派遣を検討するとした菅首相の発言に対して、仙谷官房長官は、この案を頭から否定したそうです。

 もし、自衛隊機が派遣できないならば、残された救出の手段は、航路を利用するか、政府専用機の利用か、民間機のチャーターということになります。政府は、韓国政府および民間船舶および航空会社に打診し、実際に可能かどうか、検討する必要があります。3万人といわれる現地の人々にも予め行動マニュアルを配布しておきませんと迅速な行動ができませんので、救出方法の選択は、急がなければならないのです。また、在韓邦人のみならず、北朝鮮領域に捕われている拉致被害者の救出作戦も立案しておきませんと、戦時の混乱によって拉致被害者の方々の安全が脅かされる可能性があります。高度な専門性を要する後者の邦人救出作戦は、民間に委託することはできません。

 歴史問題を持ち出して、自衛隊の活動に何でも反対するよりも、迫りくる危機に対して最善の策を追求することこそが、政府の果たすべき役割です。様々な対案を検討した結果、自衛隊による救出が最も安全かつ確実であるならば、躊躇せずに、この方法を選択すべきと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>