時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

明らかになる国連安保理の限界

 ロシアの提案で緊急に開催された国連安保理では、全会一致を得られず、北朝鮮の非難声明は見送られたと報じられています。安保理の機能不全は、もはや隠しようもないようです。

 日本国憲法の前文は、国連中心主義を柱とした楽観主義に満ちており、自衛隊や日米同盟を軽視する根拠ともなってきました。自国の軍隊や同盟がなくとも、いざとなれば、国連が助けてくれると信じる人は、少なくなかったのです。しかしながら、北朝鮮への非難声明一つもまとめられないとしますと、安保理に期待することはもはやできません。今後とも、中国は、自らの国益のみに従って、拒否権を乱発するでしょうから。

 国連信仰の崩壊が、中国によってもたらされるとは、国連中心主義を唱えてきた左派の人々にとっては、予想外であったかもしれません。日本国政府は、中国が関わる有事に際しては、国連は動けないことを念頭に入れて、防衛政策を立案すべきと思うのです。

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