時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

大連立への不安―救国内閣と言われても

 民主党の野田議員は、救国内閣を掲げて、民主、自民、公明による三党連立内閣の成立を目指すそうです。しかしながら、危機の発生源が民主党自身であることを考えますと、大連立で危機を脱することができるかどうかも怪しく、野党なき政治の行く末も心配です。

 国民の多くは、東日本大震災という危機以上に、復興の遅れや、菅首相による政治の混乱といった、人災、すなわち、民主党政権の対応の誤りや怠慢、あるいは、統治能力の低さに危機感を抱いているのではないかと思うのです。その民主党が、音頭をとって大連立を結成したとしても、諸悪の根源が温存されるわけですから、どれほど効果があるのか分かりません。むしろ、党利党略を優先した三党間の妥協が図られ、国民は、置き去りにされるかもしれないのです。反対する野党も、数えるばかりとなりますので、”三党政治”が暴走を始めますと、誰も止められなくなります。

 救国内閣とは、一般的には、戦争など、外部の敵に対して、国内が一致団結をして闘うべき時に、非常手段として結成されるものです。内部の危機に対してこの手法が用いますと、副次的な危機に見舞われる可能性も否定できないと思うのです。

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