時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国政府は北朝鮮難民の対策を

 北朝鮮情勢が混迷を深める中、かの国の独裁体制崩壊も、あり得ぬシナリオではありません。日本国政府は、崩壊シナリオへの対応を急ぐべきなのですが、まずは、北朝鮮からの難民対策にとりかかるべきではないかと思うのです。

 体制崩壊に伴って難民が押し寄せてくるとしますと、日本国の場合には、日本海側に難民船が漂着することが想定されます。しかしながら、陸続きの中国、もしくは、韓国に向かう難民が圧倒的多数であることを考えますと、海を越えて日本国に逃れている北朝鮮人の数は、それほど多いわけではなさそうです。国民が使用できる船舶数も限られているはずです。そこで、日本の領海および領海に入ってきた北朝鮮の難民を、速やかに韓国国内に移送する準備を始める必要があります。韓国側にその旨を通知し、難民収容施設の設置を要請しておきますと、いざ、と言う時には、速やかに行動することができます。他のケースとは異なり、この場合、韓国と北朝鮮は、同一民族によって構成されていますので、韓国には、受け入れ義務があるはずです。

 さらに、安定的な体制移行を実現するならば、国際社会に対して、北朝鮮が、無政府状態に陥った場合には、”国際安定化部隊”を派遣して治安を維持し(難民の発生を抑える…)、臨時の”国際管理機構”を設立するよう提案するという策もあります。新たな体制が発足し、主権を返還するまでの間、この機構が、北朝鮮の統治に当たるのです。

 民主化に向けた体制崩壊が望ましいにも拘わらず、日本国内にも、体制移行に反対する意見があるのは、北朝鮮難民の国内への大量流入を懸念してのことです。ですから、この問題が解決できれば、体制崩壊は心配する必要はなくなり、むしろ、促進すべき政策となるのではないでしょうか。

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