時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮報道―日本国民とNHKとの温度差

 あまりに突然の訃報であったために、北朝鮮金正日死去のニュースは、日本国内でも、驚きをもって報じられました。このニュースから二日が経ちましたが、NHKの報道ぶりは、国民の反応とは違っています。

 毎日のようにテレビを通して報じられる北朝鮮の映像に、国民の中には、辟易する人も多いはずです。あるいは、かの国のあまりに時代錯誤で芝居がかった演出ぶりに、失笑を禁じえない人もいることでしょう。ネットなどでも、こうした北朝鮮の異常性に対しする冷やかな意見が多く、日本国民の多くが、核開発や拉致事件といった犯罪行為を繰り返してきた北朝鮮に対して、軽蔑のまなざしを向けていることがよく分かります。その一方で、NHKの報道ぶりを見ていますと、まるで、”平壌放送”の支局なのではないかと錯覚することがあります。アナウンサーは、喪に服しているような顔つきで原稿を読み、解説委員や出演者も、あたかも北朝鮮が”普通の国”のように、大真面目で論評を加えているのです。

 今晩も、特別番組として”緊急報告北朝鮮はどこに向かうのか”を報道する予定のようです。NHKを見ておりますと、北朝鮮という魔界への入口が、ぽっかりと口をあけているように思え、背筋が寒くなるのです。

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