時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”神奈川県独立国”は国家解体論

 黒岩神奈川県知事は、太陽光発電無料設置については躓いたものの、今度は、”神奈川県独立国”構想を打ち出したそうです。県知事は、日本国を地方から分解させようとしているのでしょうか。

 この構想が、大阪都構想などと大きく異なる点は、外交権の地方への移譲にまで踏み込んでいることです。中国の「一国二制度」や長崎の出島がモデルのようですが、中国の特別行政区である香港やマカオでさえ、外交権は、中央政府にあると憲法で明記されています。ましてや、江戸時代の出島において、長崎藩が、幕府の鎖国令を無視して独自にオランダと交易したわけでもありません。将来的な道州制を視野に入れた案とのことですが、外交権は、主権的な権限の一部と見なされていますので、道州制の正体とは、懸念されていた通り、”日本国解体”なのでしょう。そして、「一国二制度」の下で、日本国内には、中国の自治区のような”社会共産主義地域”も出現するのかもしれません(国民は、他の地方に移住することで、体制を選択することができるのでしょうか?)。

 黒岩知事は、知事選に際して、このような案を表明したことはなく、住民にとりましては、”騙し打ち”のようなものです。地方からの改革案が、その実、地方からの日本国解体案であるならば、国民は、警戒、ならびに、反対すべきことなのではないでしょうか。

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