時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

生活保護問題が暴く日本国の病巣

 芸能人である河本氏の家族の生活保護費の不正受給問題にはじまる一連の騒動は、鎮静化の兆しはないようです。それもそのはず、この問題は、単なる生活保護不正受給事件に留まらず、日本国の病巣を暴くことになったのですから。

 生活保護の制度そのものの問題に加えて、この事件は、(1)家族の扶養義務、(2)外国人の法的地位、(3)個人情報の保護範囲、(4)政党や宗教団体の行政介入、(5)芸能界の非常識…などの問題を提起しました。例えば、(1)については、河本氏の行為は、不正ではないと言う意見もありますが、民法で定めた扶養義務には反していますので、違法行為に他なりません。生活保護法でも、民法の扶養義務が原則として優先するとされていますので、この法律に照らしても、やはり、違法行為なのです。もし、行政側が受給を認めていたとしますと、行政側もまた、違法行為として行政訴訟を起こされる可能性もあります。もちろん、こうした見解には、反対や反論もあるのでしょうか・・・。違法行為が、然したる議論もなく、平然と行われていたことこそ、異常なことなのです。

 このように、この問題は、様々な見直し議論を呼ぶのであり、それは、これまで、曖昧にされ、見逃されてきた日本国の病巣にメスを入れることにもなります。発見次第、できるだけ早くに治療を行うべきことは、言うまでもないことと思うのです。

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