時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

三笠宮寛仁親王殿下ご薨去

 本日午後、三笠宮寛仁親王殿下がご薨去されました。謹んで、御霊の安らかなることをお祈り申し上げます。

 寛仁親王殿下は、喉頭がんの治療を受けるかたわらで、皇室の将来を憂慮され、皇位継承問題につきましても、たびたび皇族としての見解を、男系維持の立場から述べてこられました。今日、政府では、女性宮家の創設が議論されておりますが、皇室の安泰を見届けることなく旅立たれましたことは、さぞかし心残りであられたことでしょう。

 三笠宮寛仁親王殿下のご薨去により、昭和の時代もまた一つ遠くなり、殿下が身を挺して藩屏とならんとした皇室にも不透明感が漂っております。日本国は、殿下なくして皇室の伝統を護るという課題に取り組まねばならず、この課題は、越えねばならない日本国に課された試練なのではないかと思うのです。