時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

大津中二自殺事件―見て見ぬふりをした人々

 大津市の中学校で起きた生徒の自殺事件が、ネット上において議論を呼んでいるようです。この事件、様々な背景が複雑に絡まっているためにか、不明瞭な部分も少なくありません。こうした事件にあっては、まずは、自殺に追い込まれるほどのいじめを受けた原因を究明すべきなのですが、この点についても、報道は曖昧です。

 そして、さらに憂慮すべきことは、事件発生後のアンケートにおいて、227人もの生徒達が、いじめがあったとする証言をしたことです。この数字は、特定の生徒が、酷いいじめを受けているにも拘わらず、227人もの生徒が、見て見ぬふりをしたことを示しています。教師もまた、止めに入るどころか、黙認していたようであり、これでは学校は、無法地帯であるかのようです。教師をはじめ、誰もが、この生徒を護ろうともせず、加害者たちの行為を放置したのですから。この”見て見ぬふり”の態度こそ、この中学校の教師と生徒の心の荒廃を物語っているのではないでしょうか。いじめグループが怖いから何も言わない、何もしないでは、加害者を増長させるだけです。

 いじめを止めると、止めた人が標的となるとも言われていますが、この事件は、日本国内で、正義感を失った子どもたちが大量に育っていることを露呈することにもなりました。教育現場が、生徒達の正義感の育成を怠った結果、多くの子ども達が被害を受けているとしますと、戦後教育の見直しは急務ではないかと思うのです。

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