時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

大津いじめ事件―”校内犯罪”という言葉を

 同級生による犯罪行為が原因となって大津市の中学2年生の少年が亡くなった事件は、大津いじめ事件と呼ばれています。この事件を機に、文部科学省でもいじめ対策の強化が図られていますが、こうした事件は、”校内犯罪”と呼ぶべきと思うのです。

 かつての学校で見られた”いじめ”は、仲間はずれ、悪口、無視・・・といったものが主でした。ところが、今日のいじめは、恐喝、暴行、そして、殺人にまでエスカレートし、従来のいじめとは、質的な違いが見られます。言わば、学校を舞台に、生徒達の間に、生命、身体、財産といった基本権の侵害が起きているのであり、これらは、れっきとした犯罪行為です。こうした犯罪行為に対しては、これまでのいじめ対策の対応には無理があり、警察が介入するしかありません。学校に対する警察の介入には、アレルギーがあるのかもしれませんが、学校を、犯罪が蔓延る無法地帯として放置するわけにもゆきません。

 この事件では、加害者側に対する非難が、逆に行き過ぎた報復として批判されてもいますが、刑事事件でありながら、事件のもみ消しが図られて、警察が動かなかったところに、そもそもの原因があります(それ故に、警察に代わって、一般の人々が制裁を与えることに…)。”校内犯罪”という言葉を使えば、事件の性質がより明らかとなり、学校も警察も対応しやすくなるのではないかと思うのです。

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