時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

アンフェアなセンター試験

 毎年、この時期になると、センター試験の問題の不適切さや制度としての問題点が、世論の批判を浴びますが、今年もまた、同様の現象が発生しています。こうも毎年繰り返されるところを見ますと、大学入試センターには、国民の声が届いておらず、改善の意思もないようです。

 問題の不適切さについては、今年は、英語のリスニングに、不自然なことに、韓国料理の素材が登場し、この問題を作成した側の、非常識さが浮き彫りとなりました。こうした不真面目で悪質な設問に加えて、大学入試センターが、韓国語を試験科目に設定していること自体が、アンフェアであると指摘されています。第1に、国際機関の国際公用語でもなく、言語人口も少なく、また、学術分野でも使用されていない韓国語の試験は、入試科目としては適切ではありません。センター試験の言語科目では、ドイツ語も国際公用語でも言語人口が多いわけではありませんが、少なくとも、学術分野では、ドイツ語文献は重要な地位を占めています。第2に、センター試験では、語学に関しては、点数調整を実施しないことです。平均点で見ますと、英語といった他の言語よりも、韓国語の平均点は常に大幅に上回っており、韓国語による受験が、とりわけ有利であることは確かです。第3に、高等学校において、韓国語を第二外国語として履修する日本人は少数であり、韓国語を選択した受験生の大半は、在日韓国・朝鮮人であると推測されます。これでは、センター試験は、在日韓国・朝鮮人に対する優遇制度と批判されても、致し方ありません(日系人の多くが使用するスペイン語ポルトガル語は、試験科目ではない…)。

 入試については、常にフェアであることが重視され、受験生の不正行為に対しては、厳罰が待っています。その一方で、制度そのものが不公平に設計されている場合、受験生が、たとえフェア精神で試験に臨んだとしても、結果は不公平となります。大学入試センターは、国民の声に真摯に耳を傾け、国民が不公平感を持たないよう、フェアな制度の実現に努めるべきではないかと思うのです。

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