時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

韓国市民団体の仏像一体返還運動は逆効果

 対馬の仏像窃盗事件は、韓国の地裁が動いたことから、観音寺の観世音菩薩坐像にのみに関心が集まってきましたが、もう一体、海神社の銅造如来立像も、同時に韓国窃盗団の被害に遭っております。日本国内における韓国批判の高まりを察知したのか、韓国の市民団体が、もう一体の銅造如来立像だけは、返還するよう求める運動を始めたと報じられています。

 この運動、もし、日本側の感情を和らげ、折半による円満解決を意図したとするならば、逆効果なのではないかと思うのです。まず、このニュースが報じられたことで、日本国民の多くが、被害仏像がもう一体あったことを知ることになりました。実際には、対馬壱岐からは、過去に別の文化財も盗まれており、返還どころか、韓国の国宝に指定されたものもあります。この事件は、日本側の被害が相当数に及ぶことを、図らずも明らかにしたのです。さらに、浮石寺の申し立てによる韓国地裁の仮処分は、観世音菩薩座像のみが対象のはずですから、韓国政府が、何らの理由もなく、もう一体の銅造如来立像の返還も拒否していたことが暴露されました。韓国政府は、ユネスコ条約等の国際法や法律を、一切、無視していることになります。そして、韓国の市民団体の”窃盗を働いても、半分返せば許される”とする非常識な考え方に、日本人の多くは、呆れることにもなったのです。窃盗は窃盗ですので、半分返して解決、となるはずもありません…。

 マスコミは、この非常識な運動を、韓国側が自発的に仏像を返そうとしている美談として仕立てたいようですが、韓国側の姑息な誤魔化しや撹乱作戦は、既に見透かされております。韓国は、このような運動を展開すればするほど、過去の悪事と異常性が露わになり、自らを窮地に陥れてゆくのではないかと思うのです。

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