時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

逆行する日本柔道連盟の深い闇

 今年2月、柔道女子選手15名が指導陣の体罰を告発して以来、日本柔道連盟の不祥事が次から次へと明るみになっています。世論の厳しい批判を受けたことで、日本柔道連盟も、新たに女性理事を迎え入れるなど、改革のポーズを見せているようです。

 しかしながら、この改革、改悪になりかねないのではないかと思うのです。そもそも、指導陣を告発した女子選手たちは、暴力のみならず、柔道界の不透明な体質の改善をも訴えていたはずです。2008年のアテネ・オリンピックの代表選考では、選考会で優勝した若手選手ではなく、過去の実績が過大に評価され、ベテラン選手が選ばれたことが議論を呼びました。若手にチャンスを与えなかった不透明な選考が、今でも人々の記憶に残っているですが、今回、日本柔道連盟の理事に就任したのは、この時、疑惑の的となった谷亮子氏なのです。マスコミ等の情報では、谷氏は、暴力事件については自分は経験していない、と発言し、指導陣を擁護しておりますし、氏の親族は暴力団員とのされております。不透明性の払拭と暴力の排除に適任であるとも思えないのです。

 日本柔道連盟の人事は、あたかも、自らに求められている改善の課題に逆行、あるいは、反抗しているかのようです。これでは、国民の信頼も、そして、選手たちの信頼も失われてゆくばかりではないかと思うのです。

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