時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中韓米ではなく中韓朝の枠組みとなるのでは?

 昨日、韓国の朴大統領が中国を訪問したことから、東アジアでは、中韓アメリカをプラスした中韓米の枠組みが成立し、日本国は孤立化するとの見方もあるようです。しかしながら、中韓米の枠組みは、実際に、成立するのでしょうか。

 少なくとも、北朝鮮の核放棄をめぐっては、アメリカが、北の核保有を認めるとは考え難いことです。北の核保有の承認は、即、NPT体制の崩壊に繋がりますし、今後、長距離弾道弾ミサイルの開発に成功すれば、アメリカ本土もまた、核ミサイル攻撃の射程に入ります。中韓首脳会談では、核の放棄に向けて北朝鮮に圧力をかけることで合意したようですが、どこまで実行力があるのか疑問なところです。周主席の訪米に際しては、米中両国の間には、隙間風が吹いているようにも見受けられ、また、水面下では、南北朝鮮は手を結んでいるとも指摘されていますので、最もあり得る枠組みとは、中韓朝なのではないかと思うのです。この三国は、近代国家の原則に背を向けている点において共通しています。朝鮮半島が中国の属国であった歴史を顧みますと、朝鮮半島諸国にとりましても、民主主義、自由、法の支配、人権の尊重といった価値の面で圧力を受けずに済むのですから、中国の方が気楽なのかもしれません。

 信頼の置けない国との友好関係は、自国の安全を危うくするものです。日本政府関係者の中には、日本国の孤立を恐れる発言もあるようですが、価値観が異なるのですから、中韓朝の枠組みとは距離を置く方が賢明であると思うのです(鳩山氏が唱えた東アジア共同体はもってのほか…)。

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