時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「はだしのゲン」と子供の知る権利

 先日、NHKで、松江市閉架措置で関心を集めた「はだしのゲン」について、出版社が、読者の増加を見越し、増刷に踏み切ったとするニュースを報じておりました。「はだしのゲン」を支持する側は、”閉架処分は子供の知る権利を侵害する”と主張しております。

 そもそも、子供とは、判断力が未熟な段階にあるのですから、大人が教育的な配慮から、見るもの、聞くもの、読むものに制限を加えることは認められています。仮に、子供の知る権利が、絶対的不可侵であるならば、地方自治体は、青少年保護育成条例を制定することもできなくなります(現実には、長野県を除いて、全ての都道府県で制定されている…)。公的機関に対する国民の知る権利とは、国民が当事者、あるいは、利害関係者であるからこそ、保護されているのであり、子供の知る権利とは、全く文脈が違うのです。「はだしのゲン」については、公序良俗に反する描写が多々見られるものの、原爆体験を描いたという理由から、学校の図書館に置かれるようになりました。平和教育を理由としながらも、有害図書に認定さる要素をも含んでいるのですから、一定の制約が設けられて然るべきなのではないかと思うのです。

 この問題について、本ブログでも、これまでも何度か記事として取り上げてまいりましたところ、読者の方から、動画を作成したとのご連絡をいただきました。youtubeニコニコ動画のアドレスは、以下の通りとなります。

youtube http://youtu.be/A84u509BT48
ニコニコ動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm21751576

はだしのゲン」の問題を、分かりやすく纏めておられますので、ぜひ、ご覧になってくださいませ。

はだしのゲン」には、教育現場における日教組等による思想教育の問題をも含まれておりますので、松江の教育委員会による閉架措置の撤回だけで幕引きとなるとは思えません。子供の知る権利を盾に、子供を護る大人の義務を喪失させたのでは、子供達は、毒に晒され続けることになるのではないでしょうか。

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