時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

婚外子違憲判決―立証なき司法判断

 昨日、最高裁判所が示した婚外子相続差別は違憲とする判断は、国民の間で波紋を広げているようです。決定の骨子を読みますと、理由として”家族の在り方に対する意識が多様化…”を挙げていますが、この根拠、立証されているのでしょうか。

 司法判断においては、証拠こそが重視されるべきであり、証拠なき主張は、立証不足として認められません。ところが、本判決では、最高裁判所は、”家族の在り方に対する意識が多様化したと思われる”と述べており、客観的な証拠は、どこにも示されていないのです。報道によりますと、増加傾向にあるとはいえ、婚外子の率は、2.2%に過ぎないそうです。この数値を以って、国民意識の多様化を証明したとはいえず、仮に、立法府民法改正を迫るならば、最高裁判所は、明確な証拠となるデータを提出すべきです。これでは、国民の多くは、この判断に納得しないことでしょう。

 証拠の欠如、は反面、国民意識の変化が立証できなかった場合、判決の根拠の重要な一つが存在しないことになりますので、必ずしも、国会が立法措置を取る必要はなくなることを意味しています。本来、国民投票が望ましいのでしょうが、民法改正には、大規模な世論調査等を実施すべきなのではないでしょうか。

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