時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

靖国神社例大祭-中韓への譲歩は負の効果を招く

 本月17日から4日間にわたって、靖国神社では、秋の例大祭が執り行われております。首相就任前には、靖国神社参拝に意欲を見せていたものの、安倍首相は、終戦の日と同様に例大祭への参拝も見送ったようです。

 首相の参拝見送りの理由としては、中韓への配慮、並びに、両国との軋轢を避けたいアメリカからの強い要請があったと憶測されております。ところが、中韓の反応を見ますと、中国は、”真榊奉納は迂回参拝”と批判し、韓国もまた、”配慮とは認めない”と嘯いております。関係改善どころか、両国は居丈高な態度のままであり、日本側の譲歩の効果は見られません、その一方で、日本国内では、首相の参拝を期待していた国民を、痛く落胆させております。結局、対外的な効果はさして変わらず、国内的には、支持率の低下となるならば、真榊奉納よりも参拝を選択した方が、トータルの結果は良かったのではないかと思われるのです。もちろん、中国が、内々に”靖国神社に参拝すれば、尖閣に侵攻する”といった脅しをかけているのであれば、即、戦争となりますので、アメリカとの事前協議やそれなりの熟慮は必要ですが…(仮に、脅迫を受けている場合には、むしろ、その事実を国際社会に公表し、中国の武力による威嚇を国際法違反として訴えればよいのでは…)。

 中国とは日中平和友好条約を、韓国とは日韓基本条約を結んでおりますので、両国には、如何なる事柄であれ、先の戦争を理由に日本国に対して要求する国際法上の権利はありません。日本国側が、相手国の不当な要求に易々と譲歩や配慮をしたのでは、中韓に法の支配を受け入れさせることは、到底、できないと思うのです。

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