時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

1991年の日韓覚書と日本国における韓国文化の浸透

 1991年の日韓法的地位協定に基づく協議に関する覚書には、日本国内における韓国の言語・文化教育や公立学校における韓国籍教員の採用に関する記載もあります。

 当覚書によれば、日本国政府は、在日韓国人の韓国の言語や伝統の保持への希望を理解し、課外活動として行われているこれらの教育に支障をきたさないよう配慮するとしています。”日韓間の外交文書で民族教育に関する言及がなされた初のケースであり、この覚書を機に、民族学級の設置が急増した”と指摘されており、多文化共生主義が唱えられるようになったのも、丁度この頃です。また、公立学校における韓国籍教員の採用についても、日本国政府は、一般の日本人と同様に、教職員試験の受験を認めるよう地方自治体を指導するとしています。この結果、覚書以降、在日韓国人のみならず、公立学校を舞台に、日本人に対しても韓国教育が及んでいる事例がみられるようになります。日本人生徒がハングル教育を受けさせられたり、韓国の”歴史認識”に合わせるような授業が実施されたり、果ては、給食に韓国メニューまでが登場するようになるのです。

 朝鮮学校の設置に際しては、何れ本国に帰国することを理由に民族教育の実施が許容されましたが、この覚書でも、韓国政府は、在日韓国人の帰国を前提に教育に関する特権を主張したのでしょうか。そうでないとしますと、韓国政府は、日本国に韓国文化を浸透させる機会を得たたとも解することができます。何れにしましても、一般の日本人にとりましては、政府の主導の下で韓国文化を”ごり押し”されることは、迷惑な上に自国の伝統や文化の危機ともなります。日本国の公権力によって特別に韓国文化を保護・普及する必要はなく、外国の文化の一つとすべきではないかと思うのです。

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