時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日米韓の軍事情報共有は危険

 2012年、日米韓3カ国の間で軍事情報共有の覚書が締結寸前で反故となった時、日本国内では、この顛末を残念がる声がありました。今回もまた、韓国は軍事情報共有の条件として、歴史問題に対する日本側の誠意ある対応を求めているそうです。
 
 対北朝鮮を考慮すれば、日米韓の軍事情報共有にメリットがないわけではありません。しかしながら、2012年の時点と現在とでは、日韓関係を取り巻く状況は大きく変化しています。朴政権の誕生により、韓国が親中路線をより鮮明としている以上、日米韓3カ国による軍事情報の共有は、韓国を介して中国側に日米の軍事情報が流れるリスクが高まることを意味しています。軍事的には、中国の方がはるかに北朝鮮よりも脅威ですので、対北対策の措置が後により危機的な状況を招く可能性も否定できません。また韓国は、竹島への米韓同盟適用発言にも見られるように、日本国を仮想敵国と見なしており、自国の軍事情報が日本側に伝わることにも警戒していることでしょう。覚書を拒否する口実として、歴史問題に関して日本国が決して飲めない対韓譲歩を持ち出したのも、日本国に責任転嫁するための手段と推測されます。
 
 韓国の”責任逃れ体質”は、客船沈没事故でも問題視されています。リスク回避のためにも、日米韓の軍事情報共有は、見送った方が賢明なのではないかと思うのです。
 
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