時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中韓の歴史認識強要は不安の現れ

 中国や韓国は、事あるごとに、強圧的な態度で日本国に対して自らの歴史認識に合わせるように要求してきます。一見、自信の現れのようにも見えるのですが、その実、自らに対する不安の裏返しなのではないかと思うのです。

 何故ならば、両国とも、第二次世界大戦における自らの立場が、曖昧、かつ、不安定であるからです。現在の中華人民共和国は、戦後の1949年に建国された国であり、第二次世界大戦時に連合国側で闘ったのは、中華民国です。中国の代表の立場を得たのは、1971年10月25日に国連総会で採択された「アルバニア決議」によるものですが、この決議でさえ、解釈が分かれており、現中国の立場を完全に正当化しているわけではありません。中華人民共和国が、連合国の一員であり、かつ、戦勝国と言えるのかは、怪しい限りなのです。一方、韓国も、第二次世界大戦時にあっては、日本国に併合されておりましたので、法的には敗戦国の一部でした。上海の亡命政府も、連合国の一員とは認められず、「日本国との平和条約」にも、1948年に建国された韓国は連合国に名を連ねることはできなかったのです。

 以上の歴史的な経緯は、中韓とも自らの第二次世界大戦における立場、並びに、国家としての正当性に対して不安を抱いていることを意味しています。そうであるからこそ、他国に自国の”歴史認識”を押し付けることで外部の承認を確保し、根底に潜む不安を解消しようとしているのではないでしょうか。

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