時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「ガラホ」新製品-消費者にLINEを拒否する自由を

 先日、日本のメーカーが、「ガラケー」の製造販売を終了するとの報道があった矢先、NTTドコモでは、早くも、「ガラケー」にスマホの機能を取り込んだ「ガラホ」の新製品を発表しました。新製品は、夏商戦向けとのことですが、製品の説明を聞いてみますと、不安がよぎります。

 その不安とは、スマホ機能の一つとして、無償アプリのLINEを最初から組み入れていることです。LINE搭載については、”人気”を理由として挙げておりますが、その反面、国民の中には、LINEに対する根強い警戒感もあります。犯罪に巻き込まれるといったリスクに加えて、韓国系の企業であるために、韓国情報院への個人情報等の提供が問題視されてもきました。この懸念は、未だに払拭されておりませんが、少なくとも、スマホにおいてアプリをダウンロードする際には利用規約への同意が必要であり、利用規約のプライバシー・ポリシーには、使用者が提供すべき情報として、電話番号、メールアドレス、アドレス帳に始まり、クレジットカード情報や位置情報にまで及んでいます。最初から「ガラホ」にLINEが内蔵されているとしますと、消費者の同意なくしてこれらの情報が、自動的にLINE社に提供されることになります。

 2017年から、全ての携帯電話は「ガラホ」となる予定ですが、LINE搭載の機種ばかりとなりますと、消費者は、LINEのリスク回避ができなくなります。LINEの強制使用ともなりかねないのですから、公正取引委員会消費者庁といった国の機関が、国民の自由を守るために、何らかの対策を講じるべきなのではないでしょうか。

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