時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:進化論から見たNPT条約問題

  今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。古代・中世史を中心に研究しております私が、なぜ、進化論を扱い、政治ブログの『時事随想抄』にて記事を書かせていただいているのか、と申しますと、歴史学を含めまして、学問はすべて、人類、特に、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」の人々のために役に立たなければならないと考えるからです。
 
進化論にもとづきますと、人類が、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」に枝分かれしてしまっている可能性と理由は、十分に説明することができます。この問題が深刻であることは、国際社会の秩序と安定を維持するための国際的な法律、制度、機構は、人類という存在を、「神様志向型人類god(goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」のどちらであると捉えて、構築すべきであるのか、という課題を人類に突き付けているからです。
 
近現代におきましては、「人類は、「神様志向型人類god(goddess)-minded human」の存在である」とする認識が前提とされる傾向にありました。しかしながら、進化論が示すように、現実には、「野獣型人類 beast human」の国家や人々が存在しているわけですので、「世界のすべての国とその国民は、「神様志向型人類god(goddess)-minded human」である」と定義して構築されてきた国際的な法律、制度、機構は、「野獣型人類 beast human」の国家や人々によって悪用されますと、むしろ、危険な逆効果を生み出す結果となっているのです。
 
こうした問題の典型は、核不拡散条約(NPT)をめぐる混乱に見ることができます。この条約は、「核保有国は、神様志向型人類god(goddess)-minded human」の国家である」という前提にもとづいて策定されております。換言いたしますと、非核保有国は、「核保有国は、核兵器を脅しとして、他国を侵略して、その領土や財産を略取するような行動を採らない」という信頼のもとに、核不拡散条約(NPT)の加盟国となっているのです。
 
ところが、進化論が示す通り、「野獣型人類 beast human」の国家は存在しており、昨今では、核兵器を以って、他国を威すような核保有国まで出現しはじめたのです(勝手に、核開発を行っている国すらあります)。核兵器には、核兵器をもって、対抗することが、軍事的には、最善の策なのでしょうけれども、NPT条約によりまして、非核保有国の加盟国には、それができないのです。我が国を含めました非核保有国にとりましては、当然、このような「野獣型人類 beast human」の国家によるNPT条約の悪用は、看過され得ない問題であると言えるでしょう。
 
「たかが進化論。されど進化論」。国際社会におきましては、人類という存在について、もういちど真剣に議論し、世界の安定と秩序を維持するためには、どのような国際的な法律、制度、機構を構築すべきであるのか、人類は、テーブルを囲まなければならない時期に来ているのではないでしょうか。
 
(続く)
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