時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

朝鮮有事より台湾有事-集団的自衛権発動の可能性

 安保法案に関しては、第二次朝鮮戦争における韓国支援が真の目的であるとする説があります。日本国内では、韓国に対する信頼感がほぼ完璧に崩壊しておりますので、この説は、安保法案反対者を増やす方向に作用するという問題点があります。

 朝鮮有事に際しての自衛隊派遣は、おそらく日本の国民世論が許さず、また、韓国側も拒否するのでしょうが、朝鮮有事よりもはるかに可能性が高いのが、台湾有事です。先日、中国の内モンゴル自治区では、人民解放軍の軍事演習として、台湾総督府の制圧シミュレーションを実施したと伝わります。敢えて公開したのは、来年の総統選挙における民進党の政権成立を、台湾国民に対する脅迫によって阻止する狙いがあるとも指摘されています。つまり、民進党政権が成立したと見るや、習政権は、台湾の武力併合に動く可能性が高いのです。米台関係は、準同盟関係にありますので、米中の軍事衝突に発展するシナリオも否定できません(国連は機能不全に…)。果たして、安保法案反対者は、日本国が、台湾を見捨てることを支持するのでしょうか。戦争は絶対反対、と…。

 日本国において、安保法案の成立は、台湾有事を未然に防ぐ可能性を高くしますし、仮に、戦争に至ったとしても、日米の緊密な協力が中国による台湾侵攻を退ける効果を発揮することでしょう。日本国政府は、台湾有事に備えて、今から日米台の連携の強化に努めるべきではないかと思うのです。

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