「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:‘自己意識’が先かニューロンが先か
今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。8月29日付本ブログにて、‘自己意識’の醸成と脳機能との関連について解明するためには、培養脳の研究は役に立つのではないか、と述べました。その理由は、人類の「神様志向型人類god (goddess)-minded human」の間にのみ、なぜ、‘自己意識’として、ヒューマニティーが生じることになったのか、といった問題は、未解明の課題であり、‘自己意識’は、果たして脳機能のみにおいて生じるものであるのか、それとも、‘魂spirit’とも、表現できるような脳機能以外の何らかの‘存在’によって生じるのであるのかは、培養脳の成長と‘自己意識’の発祥との関連を調べることで、解明できる可能性があるからです。
分かりやすいように、エアコンによって室内の温度を調節する場合の、3つの段階にたとえてみることにしましょう。エアコンの温度調節は、当該エアコンのコントローラーがエアコン本体に指令を出すことによって行われます。しかしながら、そのコントローラーに指令を出しているのは、室内の温度を調節しようとしている人間の‘自己意識’であることになります。すなわち、室内の温度調節が行われるまでの段階をめぐりましては、第一段階が人間の‘自己意識’であり、第二段階がコントローラであり、そして、第3段階が、エアコン本体であることになります。
エアコンの温度調節にたとえた理由は、「脳機能は、コントローラーに相当するのか、それとも、温度調節しようとしている人間の‘自己意識’に相当するのか」、という点が問題であるからです。
人間の‘自己意識’につきましては、昨今、‘蜘蛛の巣のように脳に張り巡らされたニューロンの総合体として生じる’といった説なども唱えられておりますが、個々人の統合性のある‘自己意識’が、本当に、瞬時に発生する‘自己機能’が、脳内のニューロン機能の統合として生じているのかは、謎であると言うことができます。
仮に、‘自己意識’が脳内のニューロン機能の統合として生じているのでしたならば、培養脳が、成長して、ニューロンが形成されてくることになりますと、培養脳は‘自己意識’を持つことになってまいります。その一方で、培養脳は、なぜか4mmほどまでしか成長しないという昨今の研究結果は、脳組織は、‘自己意識’が生じた後に、その‘自己意識’の指令によって成長する可能性も示していることになります。この場合は、「自己意識魂発生説」もあり得るということになるでしょう。
いずれにいたしましても、ニューロン機能の成長と‘自己意識’のどちらが先であるのか、今後の培養脳の研究は、興味深い成果を示してくれるかもしれません。
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(続く)