時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国と韓国が国際組織を破壊する

 一昨日は、国連の藩事務総長の発言が、如何に国連の精神からかけ離れているのか、ということにつきまして、批判記事を書きました。国連のみならず、組織の役割を理解しておらず、自己利益のために利用しようとする人物がポストを就きますと、得てして、その組織は崩壊へと向かうものです。

 ユネスコもまた、同様の理由によって、現在、深刻な危機を迎えております。本日の産経新聞の記事によりますと、中国は、あくまでもユネスコ記憶遺産に”南京大虐殺文書”と”慰安婦関連資料”を登録する構えを崩していないそうです。先の抗日戦勝70周年の習演説が示すように、中国の”歴史認識”とは、史実とは無縁のプロパガンダ作戦の一環です。当然に、ユネスコの記憶遺産の登録も、習政権の対日戦略として遂行されており、その趣旨が、記憶遺産本来の目的から外れていることは言うまでもないことです。ところが、記憶遺産の場合、世界遺産とは異なり、関係国に陳述の機会も与えられておらず、いわば、密室の審査で登録が決定される可能性もあるというのです。登録が実現しますと、国際社会において、両事件の虚像が既成事実化される恐れがあります。これでは、ユネスコは、特定の国の”歴史認識”を認定する”下部組織”と化します。

 設立目的が如何に崇高であろうとも、それを運営する側が自らの存在意義を忘れる、あるいは、他の目的のために易々と利用されてしまいますと、その組織は、もはや害でしかなくなります。中国と韓国は、この意味において、国際組織のクラッシャーなのではないかと思うのです。

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